自然の力を活かして快適な住まいを実現!パッシブデザインのすすめ
住まいを快適にするためには、エアコンや照明だけに頼るのではなく、太陽の光や熱、風などの自然エネルギーを上手に活用することが重要です。こうした自然の力を最大限に引き出す設計手法が「パッシブデザイン」です。
ちょっとした工夫で、より快適で省エネな暮らしが実現できます。今回は、パッシブデザインの具体的な方法をご紹介します!
冬は太陽の恵みを、夏は日差しをカット!南向きの窓を活かす
寒い冬、南向きの窓から入る太陽の光は、なんと電気ストーブ1台分以上の熱量をもたらします。これを有効活用するため、南側の窓は大きめに設計するのがポイントです。
太陽高度の低い冬場には、室内の奥まで日差しが入り込み、部屋全体が暖かくなります。
しかし、夏場にそのまま日差しを取り込んでしまうと室温が上がりすぎてしまうため、適切な対策が必要です。ポイントは、日差しを室内に入る前に遮ること
❖ おすすめの対策
・庇(ひさし)や軒を設ける → 夏の高い太陽は遮り、冬の低い太陽はしっかり取り込める
・外付けシェードやブラインド → 必要な時だけ使えて調整も可能
・植栽を活用 → 夏は木の葉が日差しを遮り、冬は落葉して光を取り込める
このような工夫で、エアコンの効率が上がり、冷暖房費の節約にもつながります!
風を取り入れて、気持ちのよい空間をつくる
春や秋の心地よい風を住まいに取り入れられると、エアコンを使わずに涼しく快適な環境をつくることができます。窓の配置を工夫することで、風通しの良い住まいが実現可能です。
①「ウインドキャッチ」で風を効率よく取り込む
家の外を流れる風を効果的に室内へ取り込むには、「ウインドキャッチ窓」を活用しましょう。
縦すべり出し窓を2つ並べて設置し、開く方向を調整することで、通常の引違い窓の約10倍の通風量が得られます。
②「温度差換気」で自然の空気の流れを利用する
暖かい空気は上へ、冷たい空気は下へ流れる性質があります。これを利用し、
・低い位置に地窓を設けて外の涼しい空気を取り込む
・高い位置に高窓を設置して暖まった空気を排出する
この高低差を活かした換気方法により、効率的に熱を排出し、夏場も涼しく過ごすことができます。
採光の工夫で、明るく快適な住まいへ
自然光をうまく取り入れることで、照明に頼らずに明るい空間をつくることができます。
❖ おすすめの採光方法
・吹き抜けや天窓を設ける → 高い位置に窓を設置すると、部屋の奥まで光が届く
・光を反射しやすい内装材を選ぶ → 白や淡い色の壁・天井を採用すると、より明るい印象に
・ガラス入りの室内ドアや室内窓を設置 → 廊下や北側の洗面所など、暗くなりがちな空間にも光を届けられる
明るい室内は居心地の良さがアップするだけでなく、光熱費の節約にもつながるため、ぜひ意識したいポイントです!
パッシブデザインで「健康・快適・省エネ」を実現!
パッシブデザインを取り入れることで、四季を通じて快適で心地よい住まいを実現できます。
・冬は太陽の熱を活用して暖かく
・夏は日差しをカットして涼しく
・風を取り込み、自然な換気で快適な室内環境に
・採光の工夫で明るく開放的な空間をつくる
こうした工夫によって、エアコンや照明の使用を抑え、光熱費の削減にもつながるため、環境にも家計にも優しい住まいを実現できます。
ORINASでは、お客様のライフスタイルに合わせたパッシブデザインのご提案を行っています。ご興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください!
設計部 金岡
-ORINAS MAGAZINE 2024年3月号より-